キキです。
調停で「弁護士を立てるべきか?」──初めての調停で誰もが悩むポイントです。
不安と緊張が渦巻く中、自分の力だけで乗り切れるのか、プロの力を借りるべきか。私自身の体験を通じて、「調停×弁護士」の是非を整理してみました。
結論:ケースバイケース。基本は立てなくてもOK
相手が弁護士を立てていない場合:
自分の言葉で真実を伝えられれば、まずは“弁護士なし”で挑むのが吉。
相手が先に弁護士を立てている場合:
話の進み方や証拠の取り扱いで不安があるなら、プロのサポートを検討
──私は「弁護士なし」で調停に臨み、納得感を得られました。
しかし最初から立てないと決めていたわけではありません。むしろ、立てようと思っていました。
以下に詳しく述べていきます。
当初「調停=弁護士」と思っていた
調停を申し立てられた書類を手にした瞬間のことは今も忘れません。呼吸が止まりそうになり、手が小刻みに震え、呆然と立ち尽くし─
緊張、怖さ、恐れ・・・これまで経験したどんな出来事とも比べ物にならない衝撃でした。
頭の中は真っ白で、「調停!弁護士!」と反射的に思いました。
あわてて不倫カウンセラーの先生にLINEを飛ばします。
意を決して送ったそのメッセージに、返ってきた答えは思いもよらぬ一言でした。
予想外のアドバイスでした。
当初は本気でそう思い、自分で弁護士を探そう、と思いました。
しかし、弁護士を探すのには時間がかかります。
そのせいもあって、もう一度先生の言葉の意味を考えます。
確かに先生の言う通り、当時の夫は不倫がバレて逆ギレ状態。この状態のまま、それぞれに弁護士がついてしまうと、おさまるものもどんどんおさまりがつかなくなっていくというアドバイスは、一理あるように思いました。
・調停は、冷静な第三者(調停員)に当事者同士の “素の声” をストレートに聞いてもらえる場である
・相手がまだ “丸腰” の状態であるなら、こちらも身軽なまま対話の機会を最大化する
・弁護士が介在すると、お互いの代理人同士が「責め・反論」の応酬に終始し、調停本来の「和解を探る場」が戦場化
プロに頼る安心感は確かにあります。
しかし、いったん引いて全体を俯瞰すると、本当に必要なのは弁護士ではなく、
①調停という場がどういうものであるのかの理解
②むやみに怖がらないこと
③自分の言葉で語る覚悟
であると、次第に考えが変わっていきました。
調停に弁護士を立てない判断
結局私は弁護士をつけずに調停に挑むことを選びました。そして、調停はあっけなく不成立に終わったので、この判断は正しかったと心から思っています。
▶調停がいかにあっけなく終わったかについて、詳しい内容はnoteにまとめていますのでそちらを参照してください。
当初は調停に弁護士を立てないなんてありえない、この世の終わりくらいに思っていた私ですが、弁護士を立てない判断をして得たものはたくさんあります。
弁護士探しの手間がかからない
のちに慰謝料請求の際に弁護士探しをしてわかったことですが、弁護士探しは『自宅から一番近い法律事務所に行けばいいや』という簡単なものではないです。自分のフィーリングに合う弁護士さんと巡り合えなければ、ただでさえ辛い状況の中で、弁護士の先生とのコミュニケーションにもストレスがかかる可能性があります。
それと、調停を起こされる側には弁護士さんを吟味する時間はほとんどないです。(調停を起こす側は、起こそうと考えてから実際に手続きをするでしょうから、時間の余裕があります)限られた時間で弁護士探しに走り回らなくて済んだのは大きなメリットでした。
お金がかからない
当たり前ですが、弁護士をつけなければ、相談料・着手金・報酬の心配が要りません。
私は夫から経済的DVも受けていて、金銭的余裕もありませんでした。有責配偶者なのに逆ギレして調停を起こしてくるような夫は、たいてい経済的DVもセットです。
限られたお金の中でやりくりをするなら、調停に弁護士をつけるよりも不倫の証拠を取ることに使うことが優先です。
自分の言葉でストレートに伝えられる
調停は「一般人にも開かれた場」
法律用語は必要ありません。事実をありのまま語ることが何よりの説得力になります。
弁護士さんをつけると、出来事や自分の考えを弁護士さんに伝え、それを弁護士さんが弁護士さんなりに整理し、理解して、相手方に伝えます。
専門家を挟むからこそ法的な面で不利になることが避けられますが、調停はそもそも法的知識のない一般人に開かれた場です。調停員さんも法律のプロではありませんので、法的ワードは使いません。(使えません)
人を挟んでやりとりするくらいなら、ストレートに事実を調停員に言葉を伝える。これで十分です。
もし自分が悪いことをしたのに、それを隠してうまいことを言って乗り切ろうと策略する側だとしたら、プロの手を借りる方が良いかもしれませんね。しかし有責配偶者はそこまで考えていないことが多いので、弁護士をつけてこない。『圧とハッタリ』だけで乗り切ろうとしてきていると言えます。
相手を過度に刺激せずに済む
焦って弁護士を立てると、相手も弁護士を急に立ててくる可能性があります。“当事者同士の対話”から離れれば離れるほど、おさまりがつかなくなっていく可能性をはらんでいます。
誠実さ、主体性を示せる
運よく相性の良い弁護士さんに出会えたとしても、自らの誠実さは自分の口、態度からでないとなかなか示しにくいものです。嘘をつきにいくわけではないのですから、堂々と自ら出ていくことが調停をスムーズに乗り切る道かと思います。
弁護士を立てるメリット・デメリット
弁護士を立てるメリット・デメリットをまとめてみたいと思います。
メリット
法的戦略の提案
証拠の見せ方や主張の組み立てなど、プロならではの最適な進め方をしてくれると思いますし、こちらが不利になるようなことはその片鱗すら見せない。徹底して有利な策略で味方をしてくれます。
手続きの代行
書類作成や提出スケジュールの管理を任せられるため、事務的な負担が軽減されます。
心理的安心感
法の専門家がそばにいることで、「自分一人では心細い」という不安を和らげられます。
デメリット
高額な費用負担
初回相談料、着手金、成功報酬などを支払う必要があり、特に予算に余裕がない場合は大きな負担になります。
コミュニケーションのストレス
弁護士との相性や連絡のタイミングが合わないと、かえってストレスが増えることもあります。
調停の“勢い”が変わるリスク
こちらが弁護士を立てれば相手も立ててくる可能性は非常に高く、代理人同士のやり取りに陥ると場がヒートアップする可能性がある
─相手がまだ弁護士をつけていない状況では、デメリットが特に目立ちやすい点を踏まえて判断しましょう。
調停×弁護士 判断ポイント
ここまで読んで下さりありがとうございます。
調停に弁護士を立てるか立てないかは、そんなにすぐには決断できないと思います。以下に判断ポイントをまとめます。
相手の動向
相手が弁護士をつける兆しがあるか?
兆しがあるのであれば、こちらも探してみるのも良いと思います。
不倫の証拠の状況
証拠が揃っていれば、自分の言葉で論理的に説明可能なので、弁護士がいなくても心配はあまりありません。話すのが得意でない方も、証拠を見せれば大丈夫です。
金銭的余裕
経済的DVをされている状況なら、まずは弁護士費用を調べてそのお金を工面できるのかどうか、現実的に考えてみてください。
調停の目的
夫に申し立てられた調停を単に乗り切りたいだけなら自分で乗り切れます。例えば婚姻費用などの交渉ごとがあり、譲れない強硬姿勢を取るのであればプロの介入を検討するのも良いと思います。また、自分にも非がある場合にも弁護士の介入を検討しても良いかもしれません。(ここで言う非とは、夫の不倫に相当するほどのもののことです。例えば「あんまり家事をしていなかった・・」とか「子どものことばっかりになっていた・・」なんていうのは非ではありません!)
弁護士を立てずに挑んだ調停
結果的に弁護士を立てず、夫は逆上しなかったどころか、調停の場で嘘がバレて覇気を失って青ざめていました。もし私に弁護士がついていたら、夫もなんとか弁護士を探してきて弁護が始まったと想像します。
強いて言えば、もし調停初回で相手が不意打ちで弁護士をつけて現れたとしたら、やはり圧倒されただろうとは思います。とはいえ、その時にはそれから弁護士を立てるかどうか考えれば良いことなので、そこまでデメリットにはならなかっただろうと思います。
夫は不意打ちで弁護士を立てて現れるほど頭を回していなかった・・それどころか不倫相手の家から調停に来ました・・(そしてそれをバッチリ探偵に撮られてました・・)
調停に弁護士をつけるかどうか悩まれている方へ
調停で弁護士をつけなかった私の体験をもとに書きました。
・調停=弁護士必須ではない
・相手の弁護士の有無・証拠の準備・予算・目的を総合判断
・まずは自分で挑戦し、その後必要ならプロの力 を借りるというスタンスも!
状況は人それぞれではありますが、『有責配偶者から調停を起こされ、妻は離婚を望まない』という状況であれば、不倫をされている、ということをきちんと調停員さんに伝えさえすれば、あっという間に調停は不成立に終わります。
参考になることがあれば幸いです。

